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ブレーキに関する知識
誰にでもわかるブレーキフルード講座
DOTの数字が大きいほど高性能なの?
答えはYESでもありますが、決してそう限ったわけではありません。正しくは成分、用途に区分けされているということです。
規格 | 用途 |
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DOT3 | 一般車輌用(小中排気量、軽量車) |
DOT4 | 一般車輌用(大排気量、重量車)、スポーツ走行用 |
DOT5.1 | 一般車輌寒冷地用(大排気量、重量車)、スポーツ走行用 |
DOT5 | 主成分シリコン 特殊車輌用(ハマー、ハーレーダビッドソン) |
主な違い | DOT3 vs DOT4 | 沸点 |
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DOT4 vs DOT5.1 | 沸点、低温粘度特性 |
DOT5.1は沸点が高いだけではなく、低温での粘度特性が厳しく定められており、北欧などの寒冷地ではDOT5.1規格のブレーキフルードが一般車用としてしばしば使用されております。現在、市場で流通しているDOT4の大半はドライ沸点が270℃前後、ウェット沸点が170℃前後で、沸点値だけを見ればDOT5.1に近い性能を持っております。しかし、低温の粘度特性においては明確な差があります。ABSが主流となった現代、欧米(特に北欧/カナダ)では低温時の流動性を考慮して、DOT5.1クラスのブレーキフルードが新車時から使用され始めています。