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ブレーキに関する知識

ブレーキ鳴きについて

ブレーキ鳴きについてのケーススタディ(1)

ケース 1

ローターは中古のまま、パッドだけを新品に入れ替えた。その直後から鳴きが発生するようになった。パッドを交換して鳴きが発生したのだから、原因はきっとパッドであろう。しかし、パッドを見ても異常なところはない。他に鳴きに関して考えられる原因を色々と調べるが、よく判らない。 ただ、ローターを良く見ると、ローターのエッジ(赤で囲んだ部分)が立っているのが気になった。

ケース 2

ローターは中古のまま、パッドだけを新品に入れ替えた。その直後から鳴きが発生するようになった。パッドを交換して鳴きが発生したのだから、原因はきっとパッドであろう。しかし、パッドを見ても異常なところはない。他に鳴きに関して考えられる原因を色々と調べるが、よく判らない。ただ、よくローターを見るとローター表面には以前に使用していたパッドの摩擦材が付着しており、そのうえ段差も出来ていた。

結 論

まず、「ケース 1」の場合ですが、新品のパッドは凸凹がなく、摩擦材表面は真っ平らです。そして、それをエッジの立った中古ローターを組合せて使用すると、エッジの部分(赤で囲んだ部分)しか当たらず爪で引っかいたような擦れ方になり、鳴きを発生させます。もちろん、ローターのごく一部分しか当っていないため効きも非常に悪いので注意が必要です。

次に「ケース 2」の場合ですが、まずローター表面に摩擦材が付着したままだと、その部分だけ余計に引っ掛かるようになり、鳴きを発生させます。また、段差があるとパッドとローターがきっちりと密着できなくなるため振動が発生し、鳴きとなります。

なお、「ケース 1」も「ケース 2」の場合もパッド交換ではなく、ローターを研磨あるいは交換をすると鳴きはほぼ収まるでしょう。

『交換した部品はパッドだけだからパッドが原因じゃないの?』とか『今まで鳴きが発生していなかったのだからパッド以外に原因はないでしょう?』と言う声が聞こえてきそうですが、これらの場合、パッドの可能性は非常に低いです。確かに今まで使ってきたパッドとローターの組合せでは鳴きは発生しておりませんでしたが、それは長い年月を掛けてパッドとローターがお互いに、それぞれの凸凹な部分に歯車を合わせる様に馴染んでいたからです。そこに新品の凸凹のないパッドが組み合わさったら・・・・。 簡単に想像がつきます。