技術情報
ブレーキに関する知識
ブレーキ鳴きについて
ブレーキ鳴きが発生するメカニズム
ブレーキング動作により、パッドとローターが触れたことによる接触振動(振動=固有周波=音)が、ローター本体により増幅され、音となったものである。(ローターそのものがスピーカーの役割を果たし、音が大きくなる) ブレーキ鳴きを図解説明すると以下のようになる。
ブレーキをかけるとパッドがピストンに押され、ローターに接触。力強く、均一な圧力が得られればいいが、現実にはうまくいかず振動が発生する(ビビリ)。このビビリがローターにより音に変換される。ひどい場合はこのビビリが、キャリパーやサスペンション、車体にまで伝わり大きく、かつ多種多様な音になる。
このビビリは
- パッドの素材の柔らかさ(減衰特性)により吸収する
- ローターの柔らかさ(減衰特性)により吸収する
- パッドの裏板とピストンの間のシムにより吸収する
吸収がうまくいかなければ → 大きく、不快な音になる(クレーム)
ブレーキ鳴きはパッドとローターが接触して初めて発生するものであるため、パッドやローターだけを疑って考えがちですが、それは短絡的な考え方です。パッドやローターは鳴きを発生させてはいるが、そのような状況を作り出している本当の原因を見つけることが最も重要であります。