技術情報
ブレーキに関する知識
ディスクローター編
【 熱処理 】内部応力とは?
ディスクローターの素材である鋳鉄は、その製造段階での凝固に至る過程で金属組織間に内部応力を残留させます。(内部応力 : 材料内部の粒子間で引き合う力や、粒子同士が離れようとする力。)
通常の一般道での使用の場合、この内部応力は何ら問題を引き起こす事はありません。しかし、サーキットなどで高温で長時間使用した場合、この内部応力が放出され金属組織内の粒子が引っ張り合ったり、反発し合ったりしてひずみやクラックを発生させます。この内部応力を意図的に放出させて均衡化し、ひずみやクラックを発生させにくくするのが、熱処理加工です。